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ここ数年で多くのカードショップが閉店しているワケ

ここ数年で一体どれだけのカードショップが無くなったのだろう。私の知っているだけでも10軒や20軒では済まない。それも私が経営しているような小さな個人店だけではなく、全国規模で展開していたチェーン店までもが廃業を余儀なくされているのだ。
あなたの周りにも無くなってしまったショップがあるかもしれない。もしあったのならば想像してほしいのだが、そのお店は傍目に見て「売り上げがあまりなさそう」なお店だけだろうか?潰れたお店の中に、見た目には売り上げがありそうな(もしくは賑わっていた)お店はなかっただろうか?
そう。

いくら常連の方でも潰れたお店の事は外からではわからないことが多いのだ。
正直、私もそれらのお店が店を畳むに至った最も大きな要因はわからないが、これから挙げることのいくつかがそれらのお店にダメージを与えたことは確かだと思う。
前置きが長くなってしまったがみんなの愛すべきカードショップが廃業に追い込まれてしまった主な原因を見ていこう。
1.フリマアプリ/オークションサイトの流行
ここ数年で発達したメ◯カリなどのフリマアプリはTCG業界に多大な影響を与えた。スマホ1つで簡単に必要なカードを買う、又は不要になったカードを売ることができるフリマアプリはこれまでカードショップが主な収益としていたシングルカードの流通に打撃を与えたのである。
これは余談なので手短に済ませるが、カードショップの収益のほとんどはシングルカードによるものである。ブースターパックなどの新品商品は5、6ボックスほどの量を販売してもアルバイト店員1日の人件費にもならないが、同じ金額のシングルを売ればアルバイト店員1人の人権費は余裕で賄えるほど。
これを理解してもらえればフリマアプリがいかにカードショップにとって厄介な存在であるかが分かるだろう。
これまで不要なカードはカードショップに買取ってもらうのが当たり前だった。しかしその金額より高い値段で手軽に売れ、買う側も販売額と買取額の間ほどの値段で購入することができる。当然多くのプレイヤーがその方法でカードを売買するようになった。
こうなるとカードショップが大変になるのはシングルカードの仕入れだ。
従来通りの買取額では買取客が来ないので在庫が増えない。そしてシングルカードの在庫の無さはそのまま客足の滞りに直結する。こうなると負のスパイラルだ。
それを阻止するためにお店はフリマアプリで売買されている金額に限りなく近い金額でカードを販売/買取をせざるを得ない。多少無茶な買取額をSNSで提示し、その金額に釣られて買取に出された商品を仕入れ、それを多少無茶な金額で販売する。元々が薄利多売な商売ではあるが、それに拍車をかけるようにシングルカードの粗利が少なくなったのだ。
回りくどい言い方をしてきたが要するに、高額買取表などをSNSに挙げて商品を確保するのが、利益を出すための第1段階となってしまったのだ。これができない(orできたとしても足を運ぶプレイヤーの数が少ない)郊外のショップなどはこの段階で生存競争から脱落したと言ってもいいだろう。
そしてこの超薄利多売とでも呼ぶべき現カードショップのビジネス形態は資金力のあるチェーン店が最も強く出れるものであり、カード専門のスタッフはいないがカード販売も行なっているだけのゲームショップや資金力で大型店舗に負けてしまう個人店ではやや難しいものがあるのも事実だ。
2.大人気国産カードゲームの陥落
私がカードショップを始める時にいくつか心に決めていたことがある。その1つが「遊◯王を販売の主軸にしない」こと。
確かに◯戯王はユーザーも多く、簡単に利益を出してくれるタイトルの1つだ。遊戯◯を扱っていないカードショップはほとんどないだろう。しかし、遊戯玉の人気はこれまでにも大きな浮き沈みを見せていて、次に沈むときどれだけ沈むかがわからないと考えていたからだ。そしてその時は来た。
2017年に施行された新マスタールールの適用である。
この時、遊戯土の人気と販売額はこれまでにないくらい底にまで落ちた。今はだいぶ持ち直してはいると思うが、この時は本当に凄かった。多くのショップがシングルカードの価格調整に追われたり、在庫のパックを捌くのに必死だった。
恐らくこの直後が最もカードショップが潰れた数が多かったのではないかと思う。
この時のケースは極端ではあるが、遊戯干のカードは値段の浮き沈みが激しい。それなりに知識のある者が扱うのならばいい商材ではあるが、中途半端な知識で触れると痛い目を見るのだ。資金力のあるチェーン店ならこの浮き沈みを凌ぎきるだけの体力がある。しかし、先程述べたような薄利多売な小さなショップにその体力はなかったのだ。
正直に言うと、遊虚王をメインにしていなかったウチの店ですらも危なかった。F◯rce of Willと遊戯工のシェアが逆だったら死んでいただろう...
3.各カードゲームのインフレ、それに伴うブースターパックの強弱差
発売から一定の期間が経つとカードが使用できなくなるローテーション制(通称スタンダード落ち)を採用しているカードゲームはかなり少ない。ここ数ヶ月の内にヴァン◯ードやウィク◯スがローテーション制を採用し始めた(バト◯ピやデュ◯マも限定構築戦などを採用してローテーション制に近い形を採り始めた)が、これまでは殆どのゲームがローテーション制を採っていなかった。その結果として起こっていくのがカードパワーのインフレーションだ(正確にはカードゲームの販売の手法としてローテーション制ではなくインフレーションが選ばれていたのだが)。
そしてそのインフレーションは各ゲームで限界に達しようとしていた。そうなると広がってくるのがパック内に封入されているカードの質の差だ。トーナメント環境を席巻するようなカードが沢山入ったブースターパックは売れるが、その次に発売されるブースターパックのカードが直前のパックのカードパワーに押されてしまうとパックが売れない。超簡単に言うとパックの販売数/発注数が安定しない。
売れるパックと売れないパックが交互に来て平均化すればいいのではと考える方もいるかもしれないし、売れそうなパックだけ多く仕入れればいいじゃないかという方もいるかもしれないが、それができたら苦労はしない。
とってもおかしな話なのだが、カードゲームの新商品の発注段階ではそのブースターパックに収録されているカードがどんなものなのかサッパリわからない。敢えて言おう、1枚もわからない。パックの名前とイメージ画像1枚がいい所だ。それだけの情報でどれだけの数を仕入れるかを決めなきゃいけない。異国の地で飲食店に入って読めない文字を指差して注文をしているようなものだ。
そりゃ、発注数抑えちゃうよね。
そんな状態で強いブースターパックが発売されるとどうなるか。店から在庫が消える。その時に急いで追加の発注をしようとしても大体の場合がメーカー完売で問屋さんの在庫切れがほとんどだ。最近はメーカーが十分な数の商品を製造していないことが多い(メーカーも在庫を抱えるのが怖いのだろう)。このようにして強いブースターパックの販売機会ロスは毎回のように起きる。
だいぶ上の方で「ブースターパックなどの新品商品は5、6ボックスほどの量を販売してもアルバイト店員1日の人件費にもならない」なんて話をしたが、これを頭に入れた上で弱いブースターパックが売れ残ったことを考えてみてほしい。仮に強いブースターパックが10カートン売れたとしても、弱いブースターパックが2カートン売れ残ると利益はほぼ無しだ。そして強いブースターパックを10カートン仕入れられる保証はないし、弱いブースターパックが2カートン以下しか残らないという保証もない。
シングルより利幅は小さくとも利益は利益だ。ブースターパックがマイナスになってしまうとせっかくのシングル販売分の利益も意味がない。
【まとめ】
今回挙げた3点はカードショップが潰れる理由としては恐らく最も大きなものでしょう。カードショップ関係者の方々や有識者にとっては「何を今更」な内容でしたが、たったこれだけの業界知識を世間に認知させることで少しづつでも未来は変わっていくのではないでしょうか。
今後も移ろいゆくカードゲーム業界のビジネススタイルについていけない店は出てくるだろうし、大人気と言われるタイトルの不振もあるだろうし、在庫を抱えてしまうブースターパックもリリースされると思います。では、自分たちの好きな遊び場を少しでも長く存在させるためにユーザーができることは何なのか。
それはとっても簡単なので是非実践してあげてほしい。
1.少しくらい安くてもお気に入りのショップにカードを売る/少しくらい高くてもお気に入りのショップでカードを買う
お金だけで量れないものがそのお店にあるでしょう?
2.1つのタイトルに縛られず様々なタイトルのゲームで遊んでみる
息抜きにでもいいし、新しい友達を見つけるためにも。
3.新しい商品が出たらとりあえず買ってみる
ブースターパックから出たカードでデッキを組んでみたりブースターパックで遊んでみたり。
これらの中で各々ができることを少しづつやるだけで生き残れるカードショップは増えます。長くなりましたが、これを読んでくれた人の好きなカードショップが少しでも長くみんなの場所であり続けることを祈りつつ〆たいと思います。
ではまた^^

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  • 2018.05.20 Sunday
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